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風の谷の誰だかの舞台裏

というわけで、遅くなりましたが、「けったいなけっかい」のラストナンバー
「風の谷の誰だか」のネタバレです。

例によって、デモで聞ける部分の話からしましょう。

この曲は音色に凝りましたねえ。
まずはトランペット。メインは必殺のJV-2080+ラテンボード。それにカワイK1mで
芯を、TTS-1とSytrusで膨らみを出しています。

カワイのシンセ、珍しいっしょ?
なんせ昔の低価格シンセなんで、サンプリング周波数が低いせいか「目の粗い」
感じがあるんですが、逆にそのせいで、中域が強く、パワーのある、独特の音が
するわけです。
この21世紀にこれ一台で何でもこなすのはさすがにちょっと難しいですが、
今回みたいに「混ぜて芯を作る」とか「通る音を作る」のには本当に
重宝しております。
今持ってるK1mはデスクトップモジュール型の音源ですが、こいつの
鍵盤つきバージョンであるK1は、俺の青春のシンセ。大学時代に苦楽を共に
しました。
だから河合楽器というメーカーにはすごく思い入れがある。
ハンドルネーム「河合鮭缶」の「河合」は、実はこの河合楽器の「河合」から
頂いたのです。本当の話。

話が逸れましたが、そんなわけで、結構いい感じのトランペットだと思うんですが、
ただこれもまだ試行錯誤の段階、我が家の「神主トランペット」はまだまだ
進化の余地を残しております。
つか、ぶっちゃけ不安定。orz

話が逸れついでにもうひとつ。
神主トランペットのキモは、個人的には、「遅れてかかるアンプリチュード
モジュレーション」だと思うんですよ。音程の上下でなく、音量の上下(正確には
音程の上下も少し混じっているかもしれない)。
ただのビブラート、つまり音程の上下だけだと、あの味は出ないんですよね。
閑話休題。


スネアは、インパクトのある音にしようと思って、なんかインダストリアル系の
音ネタ集から引っ張ってきた金属っぽい音をFL Studioに放り込んで
鳴らしております。

ピコピコシーケンスはSteinberg NEONとA|A|S Ultra Analog。
NEONってのは、VST規格の提唱者・Steinberg社によって世界で初めて
作られたVSTiで、まあ要するにネイティブプラグインシンセの元祖。
なんせ元祖ですから、非常に古い、レガシーデヴァイス的なシロモノでして、
音も相当レガシーでチープな感じ。
でも逆に、そのチープさがこういうピコピコにはうってつけなのです。軽いし。
Ultra Analogは以前もご紹介しましたね。
本来はシンベ要員ですが、こういう用途にも駆り出されることがあります。


では、下のボタンをクリックしてネタバレだ!

「人恋し神様」という曲は、言うまでもなく東方風神録の1面スタート時の曲で、そして
東方風神録1面のスタート時というと、俺の脳裏に浮かぶのは、ヴィジュアル的には
あの紅葉の鮮やかな赤、そしてサウンド的には、この曲の16分のエレピのアルペジオと
必殺の神主トランペットで奏でられるメロディであるわけであります。

今回は、それらを崩さず、大事にして、そこからどう発展するか、という方向でアレンジを
始めたのですが、気がつくと、インダストリアルな金属スネアと70年代ディスコなコンガ、
ピコピコのシーケンスが絡み合う、まるで闇鍋のような曲になっておりました。
コンガ入れたあたりから何かが狂い始めたんだよなあ。(笑)

だもんで、今回、この曲が最も説明に困ります。
「怪人アームストロング」なら「8ビートのロック」、「鈴仙の夢と現実」なら「一曲中にドリームトランスと
ハードコアで二面性を」とか言えるのですが、この曲はいったい何なのでしょうか。
自分でも分かりません。


次は曲名の話。
ひどいですよねこの曲名。(笑)

「風神録」の最初、ということで、イントロから風の音を入れたので、曲名にも「風」の字を入れようと
思ったのはいいんですが、ぱっと思いついた言葉が「風の谷の」であるという残念さ。

そこから続くべき言葉は、当然あの有名アニメのヒロイン、青き衣をまとった島本須美様ヴォイスの
姫姉さまの名前であるわけですが、そんなものを曲名にすると、三鷹方面の森の中から
刺客がやってきて抹殺されかねないので、語尾だけ韻を踏んで「誰だか」としてみたわけです。

ちなみに、内輪では、この曲名は当初「1面中ボス・秋静葉の影の薄さを揶揄したもの」だと思われて
いた節がありますが、上記の通りそんなことは決してないので、静葉様ファン・秋姉妹ファンの方には
ぜひとも冷静な対処をお願いしたいところであります。
座布団を投げないでください。座布団を投げないでください。


あと、今回特筆すべきは、フリーのソフトシンセが、いくつかいい働きをしてくれたことですね。

まず、先ほどご紹介したSteinberg NEON。
繰り返しになりますけど、とにかく軽快、簡単操作で、ピコピコ音、軽い音にはうってつけ。
また、今回は使いませんでしたが、レゾナンスを効かせて、フィルタースウィープをうまくいじると、
普通のアナログシンセならシンセベースに使うような「びょん」みたいな音が鳴るセッティングで
「ひょん」とか「ふょん」みたいな、なんとも軽い音が出る。
これが、薄いパッドとか、ピアノなどの減衰系と重ねるとか、そういう用途にいいんですよ。
「音がチープだから使えない」なんてのは偏見です。何にでも使いどころはあるのだ。

また、オープニングから、比較的中低域で鳴っている、うにょんうにょんとフェイザーがかかった、
昔風の厚いシンセパッド。
あれはBigTickのCheeseMachine。ああいうヴィンテージ系ストリングスマシンのような音を鳴らす程度の
能力なんですけど、こういう「特定の音色に強いシンセ」は、シチュエーションは選ぶけれど、ツボに入ると強い。
これも昔から俺が愛用していた一本であります。

もひとつ、イントロの途中で入る高音のシンセストリングス。
驚くなかれ、あれはトランス者御用達のSUPERWAVE P8。内蔵のSuperSawもどきで作っています。
あのシンセの、というかSuperSaw(もどき)の使いどころはトランスリードだけじゃないよ。
SuperSaw(もどき)はノコギリ波をたくさん重ねた波形なので、元々ノコギリ波を使うシンセストリングスにも
実はうってつけなんですね。
非常に綺麗でしょ。

最後に、中盤エレピっぽいサウンドのブロックコードがメロディを取るあたりで、一度途切れたドラムが
もう一度入ってくるところから流れる、裏メロの音色。
ポルタメントがいい感じでかかった木管系シンセリードですが、これはSynth1のプリセットのフルートを
ちょっといじった音です。
これがまた、こういう裏メロとかシンセソロに重宝するんですな。
神主様にとってのトランペットとまでは行かないまでも、ある意味で俺の必殺音色。


では最後に、機材・ソフト一覧。

DAW
Cakewalk SONAR7
Image-line FL Studio

ソフトシンセ
MODARTT Pianoteq
rgc:audilo/Cakewalk z3ta+
DaichiLaboratory Synth1
BigTick CheeseMachine
A|A|S Ultra Analog
Sterinberg NEON
Cakewalk TTS-1
Image-line Sytrus

ハードシンセ
Roland JV-2080+ラテンボード
Kawai K1m

エフェクター
IK Multimedia T-Racks
IK Multimedia CSR
IK Multimedia Amplitube2 DUO
Cakewalk Boost11


以上、俺の3曲のネタバレでした!
では次回作でお会いしましょう!
ていうか、そろそろ次回作を作り始めなきゃ!(汗)

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